2024/12/01
皮ふのあれこれ
りんご病が流行しています!
今回は2.3ヶ月ほど前から流行している「りんご病=伝染性紅斑」についてお話しします。
りんご病はその名の通り、頬が真っ赤になる症状が特徴です。
原因は「パルボウィルス」が原因です。
不思議なことに、5年ごとに大流行するとも言われており、今年はその年に当たるのかもしれません。
年齢的には5〜9歳の小児に多い傾向がありますが、家族感染で成人が感染することもあります。
たまたま、小さい頃にりんご病にかかっておらず、免疫を持っていなかったからと考えられます。
さて、りんご病は頬が真っ赤になるだけではなく、腕や足、背中やお腹に淡くてモヤモヤした赤みが出て、1週間ほどで消失します。
そしてこれらの皮疹には痒みがありません。
また、成人が感染した場合には関節痛や頭痛、微熱、全身倦怠感(なんとなくだるい感じ)が伴い、典型的な皮疹はあまり出ないこともあります。
感染経路は飛沫感染です。
しかし、典型的な皮膚症状が出ているときには感染力は低くなっており、
皮膚症状の出る1週間ほど前に微熱やだるい感じが生じる場合がありますが、その期間が最も感染力が強い状態です。
よって、皮疹が出ている状態の時であっても、幼稚園や学校には登校可能となっています。
ちなみに、りんご病の原因ウィルスは妊娠初期に感染すると、流産や胎児の異常(胎児水腫)を生ずるとの報告もあり、注意が必要です。
「りんご病」の治療は特にありません。
対処療法になります。つまりは皮膚症状や全身症状に対して、痛みが強ければ鎮痛剤を内服するという形です。
また、感染予防についても、皮疹が生じた段階では感染力が少なく、予防策は難しいでしょう。
よって、妊婦さんは「りんご病」が流行している時には人ゴミを避けたり、マスクの着用や手洗いうがいの徹底をしましょう。