2022/11/22
皮ふのあれこれ
つらい蕁麻疹。。 原因は?治療は?
今回は「蕁麻疹」についてお話しします。
蕁麻疹というと、「アレルギー?」と思われる方が多いのではないでしょうか。
しかし、蕁麻疹の原因の約7割は「特発性」つまりは原因が不明です。
アレルギーで出るタイプは「特定の食べ物や薬」が原因のことが多く、
該当する食べ物や薬を飲んだら必ず症状が誘発されます。
時に症状が出るが、大丈夫な時もあります~というのはアレルギーではありません。
蕁麻疹は主に「ヒスタミン」と呼ばれる物質が何らかの刺激で放出され、ヒスタミンが神経や血管に作用すると皮膚に炎症が起き、痒みを感じるようになります。
よって蕁麻疹の治療は「抗ヒスタミン薬」を内服します。
さて、蕁麻疹の治療はいつまで必要なのでしょうか。
アレルギーで出た蕁麻疹の場合は、体に入ったアレルゲンが排出されれば蕁麻疹も治ることが多いため、短期間で終了しても問題ありません。
ただ、蕁麻疹の7割ほどは原因不明の蕁麻疹で、この場合は長期に内服する必要があります。
なぜならば、蕁麻疹が良くなったかな?と思っても、蕁麻疹の原因である「ヒスタミン」がまだ少し血中をさまよっていたり、
ほんのちょっとした誘因でヒスタミンが遊離されてしまう状態が続いているからです。
それだけでなく、ヒスタミンが作用する神経や血管もヒスタミンを取り込もうと敏感な状態が続いています。
ということは、蕁麻疹が良くなったからといって直ぐに内服を中止すると、また蕁麻疹が出てきてしまうのです。
内服をいつまで続ければ良いのか・・・
それは患者さんによって違いますが、いずれにせよ内服薬は少しずつ症状に合わせて減らしていく方法をとります。
ヒスタミンが血中にどのくらい存在するのか、神経や血管が敏感な状態がどの程度なのか、それを多角的に測ることができないからです。
そして、何が原因でヒスタミンが遊離されてしまうのかもわからないからです。
時々、患者さんで「全く治りません。」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
原因は蕁麻疹が出ているにもかかわらず、内服をなるべくしないようにしていた、症状が出たら飲むようにしていた・・・などが治らない原因でもあります。
もちろん、用法容量通りに内服しても治らない場合は内服薬を検討し直す必要もあります。
患者さんの中には「抗ヒスタミン薬って眠くなるみたいなので、飲みたくない」
という方もいらっしゃいますが、現在の飲み薬はかなり改良され、生活に支障のでない薬の選択肢もかなり増えました。
痒みが辛くて眠れない、仕事ができないなどの生活の質が下がっている方もいらっしゃいますが、ご自身にあった薬を皮膚科医とともに選び、痒みのない生活を送れると良いですね。