2022/09/14

皮ふのあれこれ

アトピー性皮膚炎とは?どうすれば治るの?

今回はアトピー皮膚炎って何?どうすれば治るの?

についてお話しします。

 

アトピー性皮膚炎は単なる「アレルギー」ではありません。

皮膚のバリア機能が弱い状態が続くと、皮膚にはいろいろな刺激が侵入してきます。

 

例えば空中を飛んでいるダニ、埃、カビ、

皮膚から分泌される汗、皮脂

皮膚を洗うために使う石鹸、洋服についている洗剤、柔軟剤

 

こうっいったありとあらゆるものが皮膚に侵入してきては、それに対して過敏に反応してしまうのがアトピー性皮膚炎なのです。

 

なぜ過敏に反応するのかといえば、「サイトカイン」と呼ばれる物質が作用しています。

 

通常「サイトカイン」は体に侵入してきた刺激やアレルゲンを追い出すために増える物質ですが、異常に増えしまうことで、皮膚のバリア機能をさらに弱め、痒みを引き起こし、皮膚が赤く反応するのです。

 

最近では「サイトカイン」の異常増殖を弱める薬「生物製剤」も使用することができるようになりましたが、まだまだ高額であったりと少しハードルの高い治療とも言えます。

 

よって、まずアトピー性皮膚炎での治療といえば従来からの「外用」「内服」療法を行うことがよいでしょう。

 

さて、薬を使用しても全く治らない、薬を中止すると湿疹が再発する・・・

といった患者さんの訴えをよくお聞きします。

 

「薬を使用してもよくならない。」

その際には薬の使用量は適切かどうか、また生活上何か悪化させている原因が潜んでいるということが考えられます。

 

「薬を中止すると湿疹が再発する」

それは、アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚の内部では「サイトカイン」が増殖していますので、皮膚炎が落ち着いているように見えても、皮膚を刺激するありとあらゆる因子が入ってくれば症状が出てきてしまうのは当然です。

 

薬の適切な量については外来でお話ししてはいますが、忘れてしまったという場合はいつでも診察時に相談してください。

生活上悪化させている原因はご自身でご自覚ある方もいらっしゃいますが、どうしてもわからない場合は一緒に生活を見直してみましょう。

 

皮膚の痒みや皮膚炎の見た目が辛くて、生活の質が下がることもあります。

適切に治療を続けていけば、アトピー性皮膚炎も必ず寛解します。

ぜひ皮膚科医と一緒に2人3脚で皮膚炎を治していきましょう。