2022/07/18
皮ふのあれこれ
汗は悪者?
気温も湿度も高いこの時期。
汗をかくと皮膚はべたつき、痒くなったりと不快そのものだと思う方が多いかと思います。
しかし、汗には
・体温調節
・皮膚感染症を予防する
・天然保湿因子の一つ
という重要な役割があります。
よって適切に汗をかくことはとても大事なことなのです。
汗をかくと皮膚の外に汗(水分)が出て、蒸散されることで皮膚の温度が下がります。
また、汗の成分には「抗菌ペプチド」と呼ばれる物質が含まれており、病原性のある細菌やカビが増殖しないようにコントロールしています。
そして、汗は皮膚の外に水分を補い、皮膚の潤いをもたせます。
しかし、汗によるトラブルといえば
小さなお子様では汗の管が細いため、汗のくだに汗が溜まり、「汗も」になりやすく、
アトピー性皮膚炎の患者さんでは、汗が出やすい部位では皮膚が荒れ、汗が出にくい部位では「丘疹」と呼ばれるぶつぶつができます。
では汗をどうコントロールすれば、汗の良い面を生かすことができるのでしょうか。
まず、汗をたくさんかいたら皮膚に汗を残さないようにすること。
適度に汗が出ることは、皮膚の潤いを保てますが、あまり多い状態であると、汗に含まれる電解質(塩分)などが析出して皮膚に痒みが出ます。
よって、たくさん汗をかいた後にはシャワーを浴びたり、濡れタオルで優しく拭きましょう。
また、汗が皮膚に刺激にならないように、「保湿」は重要です。
保湿剤にも様々なものもありますが、この時期はべたつきにくい「ヘパリン類似物質」や「尿素系」のローションやクリームが良いでしょう。
汗は決して悪者ではありません。
汗と上手に付き合うためどう汗をコントロールすれば良いのかのお話しでした。