2022/03/30
皮ふのあれこれ
魚アレルギー
さて、今回は「魚」が原因で出現する蕁麻疹についてお話しします。
「さば」にアレルギーがあると認識のある方もいらっしゃるかと思います。当院の問診票を見ると、アレルギーのある食物の中で魚系ですと、「さば」が圧倒的に多い印象です。
確かに、「カジキマグロ」「マグロ」「ブリ」「さば」「さんま」などの赤身の魚には「ヒスチジン」と呼ばれるタンパク質が多く含まれており、これが体の中にある一定量入ると「中毒症状」として蕁麻疹が出たり、下痢や嘔吐症状が出る場合があります。
ちなみに、「さば」にはアニサキスが住み着いてることがあり、
実はさばではなく、アニサキスによるアレルギーで蕁麻疹などの症状が出る可能性もあるのです。
よってアニサキスが発見されやすい魚である「さば」「アジ」「イワシ」「イカ」「さんま」「さけ」を生で食べた後に蕁麻疹やアナフィラキシーが出たという場合は、これらの魚介類の検査だけではなく、「アニサキス」に対してもアレルギーがないかを検査します。
よって「さば」アレルギーがあるという方はもしかすると、アニサキスにアレルギーがあるか、さばを一定量食べてしまうことで出現する「中毒症状」という可能性もあります。
では「魚アレルギー」はどんな魚に多いのか。
「アカウオ」と呼ばれる魚にアレルギー症状を起こすことが多いと言われています。
この種類の魚には「パルブアルブミン」と呼ばれる特殊な蛋白を多く含んでいます。
この蛋白は他の魚も含有されているのですが、「アカウオ」は他の魚よりも多めに含まれています。
よって微量だけ含む魚を食べても問題ない方でも、「アカウオ」で蕁麻疹が出る方もいます。
「アカウオ」とは代表的なものであると「メバル」です。
最近はアレルギー症状を持つ方が増えていると思います。
時に原因が不明で何を気をつければ良いのかわからないという方もいらっしゃいます。
そういう場合には徹底した問診をし、どうしても判明しなければ食物日誌や生活の記録をつけてもらってあてをつける場合もあります。
それをもとに採血をし、それでも不明な場合はプリックテストや原因である可能性のある食物を医師の監視下で摂取していただくこともあります。
特に気をつけなかればならないのは、蕁麻疹が全身に広がり、呼吸困難や嘔吐や下痢、意識消失を起こしたことがあるという場合です。
もちろん今まであまりひどくなかった方もアレルギーのある物を知らずに食べ続けて、突然ひどい蕁麻疹が出る場合もあります。
最近、特定の物を食べると、なんだか痒くなるな、蕁麻疹が出るな、口の中の違和感があるな・・気持ち悪くなったり、下痢などの症状があるな・・という場合にはアレルギーを疑って医師の診察を受けた方が良いかもしれません。